ちぇんじ☆
 私が真里の口元に耳を近づけようとすると
 緩んだ口元がさらに大きく緩むのが見てとれる。

――それ以上緩んだらヨダレでも垂れてきそうよねぇ。

 そんな事を考えながら真理の口元に耳を近づける。
 真理の問いかけに何かコチラが反応を見せないと
 きっとこの間の抜けた笑顔のままで何回も同じことを話し続けるだろう。

――自分の顔とはいえ、この顔を見続けるのは精神的に……キツイ。

 ようやく聞き取れた言葉は嬉しいような情けないような複雑な気持ちにさせてくれるような言葉だった。

「――アンタって、私のタイプの顔だよね」

 うん、やっぱり私だ。
 顔のタイプはバッチリ一致している。
『例の方法』に向けての第一関門はこれで突破できたのは嬉しいんだが

……やっぱり自分ながらにこの状態の真里の言動は情けない。

 ああ、隼人くん早く戻ってこないかなぁ。
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