ちぇんじ☆
(おい! バカマリ! お前までボケたのか!?)

 隼人くんの失礼な呼びかけによって現実に引き戻された。
 急にビクッとなったものだから周囲の人から見ると
 かなりアレな感じの人に見えたことだろう。
 それより『バカマリ』が定着しそうなのが気になるトコロだけど……。

「あ、隼人くん。ちょっと時間かかった?」

 この場所が公園であることをすっかり忘れていて
 ごく普通に隼人くんに話しかけてしまった。
 もし誰かに見られていたなら本当にアレな感じの人に見えたことだろう。

(ちょっと話したいこともあるし……場所を移動するか)

 隼人くんと会話するときには少しでも人気が無いほうが良い。
 呆けたままの真里の手を引っ張り近くのカラオケボックスに移動することにした。

 カラオケボックスまでの道中、隼人くんの顔が心なしか難しい表情をしているように見えた。
 そして、それが決して私の気のせいでは無かったことを
 カラオケ屋に到着したときに私は思い知らされた。

 隼人くんが戻ってきたのは嬉しいんだけど……。
 嬉しいんだけど……嬉しくない情報まで一緒に来ちゃったなぁ。
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