ちぇんじ☆
 少しの間の沈黙。
 私が覚悟を決めるのにそれから一分の時間を要した。

「ね……隼人くん。お願いがあるの」

(ん? 何だ?)

「後ろ……向いててくれるかな?」

 隼人くんが言ったように『これは人工呼吸』自分にそう言い聞かせているつもりだ。
 でも、隼人くんに……自分の好きな人に見られたくない姿だ。

 隼人くんの体を使って、自分にキスをする自分の姿。

――できるなら見られたくない。
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