ちぇんじ☆
 真里と隼人くんの会話の内容はコロコロ変わる。

 好きな本、タレント、歌。
 自分の趣味は少しマニアックだと思っていたのだが、
 隼人くんは難なく真里の会話に付いて来る。
 マニアックな会話が嬉しいのか真里はどんどん喋り続ける。

 この悪循環のおかげで私の孤独は度を増すばかりだった。

 二人の会話が止まったのは、席に商品が来たときだけだった。

 席に運ばれるチーズバーガーとデミグラスバーガー。
 私はムシャクシャしてデミグラスバーガーを口に運ぶ。

――こうなりゃヤケ食いだ。

 デミグラスバーガーを一かじり。

――あ、美味しい。

 今までこの商品は『味が濃いなぁ』としか思ってなかったのだが、
 隼人くんの体の中に入って味の嗜好が変わっている現在
 この濃い味がすごく美味しく感じる。

――なんとも不思議な体験だよねぇ。
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