ちぇんじ☆
 ほどなくして隼人くんの住んでいる駅に着く。

 電車の中では当然だが二人とも終始無言だった。
 他の人には見えない隼人くんと会話すれば周りからはただの怪しい人にしか見えないだろう。
 私から話しかけることは当然無いし、隼人くんも窓の外を眺めて無言だった。

 帰り道で言葉を交わしたのはバスに乗り込んでからだった。
 他の乗客からはあまり目につかない運転席の真後ろに座る。
 座席の傍らに隼人くんが立ち、隼人くんには視線をあまり向けずに小声で話しかける。

 鏡を覗かなくても会話できるようになったのは便利なんだけど。
 贅沢を言わせて貰えるならば、私が心の中で話せば隼人くんにも聞こえるようになってくれればもっと便利なんだけど。

――まあ、そんな超能力みたいなマネはさすがに無理があるか。

 そんなことを思いながらも隼人くんには全然別の話題を振る。
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