ちぇんじ☆
「早く治して戻ってくるから……」

 自分に腹を立てて、何も話せないままの私にカズちゃんが呟いた。

「うん……」

 カズちゃんの呟きにそう答えることしかできない私。
 だって――分かっていたから。

『早く治す』ことがどれほど困難なことなのか。

 カズちゃんが罹ってしまった病気が、弟の直哉くんと同じ病気なのだとすれば、
 何という病気なのかは知らないが治療は非常に困難な病気だと分かっている。
 なぜなら、私は隣に住んでいながら直哉くんを滅多に見たことは無かった。
 ずっと病気を患って、家の中で療養をしていたからだ。
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