ちぇんじ☆
「手紙……届かないんですか?」

 お母さんの呟きを聞き逃さず改めて聞いてみる。
 ハッとした表情を見せて慌てて弁解するようにお母さんが答えた。

「あ、いや。大丈夫よ。後で住所教えるわね」

 住所を教えることを拒否されなかったことに安心し、お母さんには「お願いします」と短く答える。
 そのままカズちゃんに向き直って、

「手紙送るからね、頑張って病気治してね!」

――今生の別れじゃないんだ。

 そう自分に言い聞かせて、出来る限り明るい顔でカズちゃんを励ます。
 きっと――寂しいのはカズちゃんも同じはずだ。
 私にしてあげられること、今は励ましてあげるくらいしかできない。
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