ちぇんじ☆
「――てっ、手紙書くからね!」

 私も泣き出しそうになるのを堪えながらカズちゃんに何とか言葉を返す。
 もし、ここで私が泣いてしまえば――別れが一層つらくなる。

――カズちゃんを笑顔で励まして見送ってあげなきゃ。

「早く治すんだよ! 応援してるからね!」

 泣くのを堪えているため、語気が意味もなく大きなものになる。
 カズちゃんは、まだ泣き出しそうな顔のまま私の言葉に何度も小さく頷く。

「絶対、絶対に帰ってくるからね――」

 カズちゃんがそう言ったとき、車がゆっくりと走り出した。
 車の動きに合わせて歩き出し、カズちゃんと目を合わせ続ける。
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