ちぇんじ☆
――電車を乗り継ぎ、バスに乗り、たどり着いたのは……何も無い場所だった。

 あるのはバス停、そし一軒の商店だけ。
 他は何も無い。
 これは……なんというか『田舎』という表現を超えている。

 まずバスの路線がすごい。
 時刻表に載っていたバスの到着時間が二つだけ。
 つまり一日に二本しかバスが走らない。
 あわよくばカズちゃんの住んでいるところに泊めてもらおうか、なんて考えていたのだが……。
 今やその考えは『泊めてもらえなかったらどうしよう?』に変わってしまった。

 念には念を入れて、今朝の七時に家を出発したのだがこのバス停に到着したのが十二時。
 すでにお昼だ。
 というか、片道で五時間もかかっている。とても同じ県内とは思えないような遠さだ。

 ともかく、バスの路線はここで途切れている。
 カズちゃんの住む所まで後は徒歩の道のりになる。
 道を確認するためにバス停の前にある商店で道を聞くことにする。
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