ちぇんじ☆
 私は作家志望だ。夢のある話は大好きだ。

 オカルトなんかも結構信じている、超能力とかUFOとか。
 そりゃあ少しは胡散臭いとは思うけど……あると信じたほうが夢がある。
 幽霊や霊能力なんかも信じている。

――でも、それはあくまで雑誌や小説、漫画の中の話であって……。

 今、お祖父ちゃんが話したことを……どう理解するべきだろう?

 私の身に現在降りかかっているこの状態――『入れ替わり』はまさしく超常現象だ。

 これだけでも――体験してなお俄かには信じ難いのに、その上に霊能力が関わっているという。
 しかも、その霊能力はカズちゃんの家――歳平家に代々伝わっていて。
 その霊能力の源がカズちゃんの銀色の右瞳で。
 言われてみればお祖父ちゃんの両目も少し色素が薄いような色で。
 カズちゃんの病気っていうのは――実はこの霊能力のことで。
 その霊能力が『入れ替わり』に関係してる――らしい。

 もう、どのようにして状況を頭の中で整理すれば良いのか分かったもんじゃない。
 霊能力があることは信じよう。
 カズちゃんが実は霊能力者だったことも信じようじゃないの。

 だったら、何で?霊能力者だったらこんな『入れ替わり』が起きるわけ?
 お祖父ちゃんの話は核心に触れるようでなかなか肝心なところに来ない。

――老人の話は長くなるっていうのはこの世の真理よね……。
< 292 / 449 >

この作品をシェア

pagetop