ちぇんじ☆
「じゃあ、ぼくとかすみおねーちゃんは大丈夫だね!」

 私の『好きな人同士じゃないとダメ』発言を受けて元気良くカズちゃんが答える。
 うん、大丈夫……だけど大丈夫じゃない気もする。
 さて、これからカズちゃんに『セックス』を教えないといけないのだが。
 カズちゃんって……多少なりともこういうコトの知識はあるんだろうか?

 十二歳っていえば微妙な年頃だよね。
 マセた子なら知ってるだろうし、まるっきり知らないって子もいるし……そんな年代。

 私の知っている限りではカズちゃんは後者だ。
 これまで姉弟のように育ってきたが、そんな話題をしたことはない。
 もっと言えば、小さい頃に『お医者さんごっこ』とかをした記憶もない。

 もしも……完全に知らなかったら、説明は困難を極めるものになるだろう。
 例えて言うのならば『テトリス』を知らない人にルールとその楽しさを言葉だけで説明するような……そんな作業になること請け合いだ。

 まずはカズちゃんが『セックス』について少しでも知っているかいないか、そこのところの確認だ。
 軽い質問をしてみる。

「ところで、カズちゃんは――『赤ちゃんの作り方』って知ってる?」

 お、この質問は我ながら良い感じじゃない?
 あまりエロくもなく、小学生の高学年に向けて、何ら問題の無い質問だ。

――さて、カズちゃんが知ってると助かるんだけど。
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