ちぇんじ☆
……だが、私の勢いはいきなり殺されることになった。

「『閨の儀式』ちゅうくらいでな、夜にならんとできんのじゃよ」

 く……。仕方ないので夜まで待機することになった。
 体が綺麗な方が良いというお祖父ちゃんの提案で山の上にある湧き水が出る場所にカズちゃんと二人で来ている。
 ここで身を清め、儀式に備えるわけだ。

 ちなみにお祖父ちゃんは「かすみちゃんの家に電話してくるわい」と麓に下りている。
 私の家に電話して、今日は体調を崩したので帰れないと連絡を入れてくれる手はずになった。
 『閨の儀式』を行うのが夜であるということと、儀式が終わると『入れ替わりの儀式』と同様、少しのあいだ体の自由が利かなくなるのだそうな。
 ここを出発できるようになるのは早くても明日の朝になる。
 ママには心配をかけてしまうだろうけど――この体で家に帰れるワケもなく。
 現在の私としては大人しく儀式に備えることしかできないわけで。

 しかし、入れ替わって登る山はそれなりにキツかった。
 体の小ささに慣れていないからだ。
 昨日までは楽々登れていたような段差でもカズちゃんの体だと登るので一苦労だ。

 湧き水が出る場所に着くころには私は少しヘロヘロになっていた。
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