ちぇんじ☆

「本当に何でもないよ。それより――お腹空いたなぁ」

　カズちゃんのお祖父ちゃんからお母さんへ受け継がれた『困ったときはとりあえずご飯』の伝統は私に受け継がれたようだ。
　お母さんの追求を誤魔化すために、私はお母さんにご飯を要求する。
　私の言葉にお母さんは「あら、もうそんな時間？」と慌ててテーブルから立ち上がった。

「準備すぐにできるからね。手を洗って、カズちゃんと……一応、隼人も呼んできてあげて！」

　そういい残しパタパタとキッチンの方へ小走りに駆けて行く。
　私は洗面所に向かう前にお母さんの後を追いキッチンへ向かった。

　キッチンではお母さんが手際良く晩御飯の準備をしていた。
　そんなお母さんの様子をほんの少し眺めて、それからお母さんに問いかける。