ちぇんじ☆
 目を閉じてそのまま眠ってしまったんだろう。

 私は夢を見ていた――。

 前に見た夢と同じで、色は鮮明についているんだけど、音は全く聞こえない。
 普段、私が見る夢と違う……隼人くんの夢の世界。

 私の体は小さい子供になってしまっている。
 向こう側に大きな山が見えていて、
 砂利道のような場所を山の方向へと一生懸命になって走っている……。
 まるで、誰かを追いかけるように――。

 そのうちに誰かの後ろ姿が見える。
 背の高い、髪の長い……これは体型から見ると男の人かな?
 その人を見つけて追いかけるスピードが少し速くなる。

 だが、大人の足を子供の足の差なのだろうか、
 走っても走っても……どんどんその人に再び引き離されていく。

 どんどん離れていくその人に向かって必死に何か叫んでる。
 涙も流しているようで、頬が少し冷たい。

 結局、呼びかけられてるその人は振り返ることなく、右手を大きくあげてこちらに応える。
 そして――そのまま去っていく。
 去り行く姿をとても……とても悲しい気持ちで見つめている私。

 何かとても大変なことをしてもらったのに――それを返すことができない。
 そんな悔しい気持ちも混ざっているような感覚だ。

 もう姿の見えなくなったその人に向かって、聞こえるかどうかは分からないけどもう一度何か叫ぶ。
 叫んだ後に涙を腕で拭う。

――ここで目が覚めた。
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