ちぇんじ☆
 携帯を片手で弄びながら隼人くんとにらめっこ状態。
 隼人くんが『私の待ち望んでいる言葉』をちゃんと言うまでは続けるつもり。
 お互いが無言になった部屋の中でラップ現象による『バチッ!』という音だけが響いている。

 五分も無言の状態が続いただろうか。
 隼人くんが沈黙に耐えれなくなってしまったのか、口を開く。

(分かったよ……)

 隼人くんの言葉に無言のままで手の平を差し出し『どうぞ』のポーズを取る。
 これ以上は余計な口を挟まないつもりだ。
 私が何か話せば、それだけ隼人くんが話しにくくなるだろう。
 意地悪はそろそろオシマイ。
 後は隼人くんが正直に自分の気持ちを話すのを待つだけだ。

(その……自分の顔が、真里ちゃんと……キスするのを見たかったんだ)

 ふう、良く言えました。

 最初から正直に言っていれば手間はかからなかったのに。
 さて、もう一押ししても良いんだが。

――これ以上いじめるとさすがに怒り出すよね。

 そろそろこの会話を終わりにしようと思う。
 最後にもう一つだけ残ってる確認事項は――私の口から聞いてあげよう。
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