ちぇんじ☆
(分かったよ、どれくらいで戻ってくればいい?)

 渋々とそう言いながら隼人くんが立ち上がる。
「ごめんね」と小さく前置きしておいてから、

「十五分くらいで済ませるから、本当にゴメンネ」

 隼人くんには申し訳ないが……聞かれたくない話もあるので。

「何なのよ? 大事な話って」

 隼人くんが部屋から出て行ってしまい、少しふくれっ面の真里。
 そんな真里にはお構いなしに話を切り出す。

「いきなりだけどさ……アンタ隼人くんのコト……好き?」

「ブハッ!」

 私の質問を聞いて口に含んでいたウーロン茶を勢いよく噴き出した真里。
 リアクションとしては合格のラインだが――汚いなぁ、もお……。
 ウーロン茶がむせてしまったのか、ゴホゴホを咳払いを続ける真里に向けて話を続ける。

「いや、好きなことを前提で話をするけどさ。好きなんだったらとっとと『元に戻る方法』をやっちゃってくんないかな?
この体でいるのも飽きちゃったし、隼人くんが元に戻ってくれないとアンタも何かと不都合なんじゃない?」

 少しだけ嘘を交えて真里を説得してみる。

――この後お願いするつもりの『約束』には『元に戻る』ことが絶対の前提条件だから。
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