ちぇんじ☆
 え?CM明けた?もうカメラ回ってる?マジ?

――えー、失礼しました。引き続き歳平さんにお願いします。

「トイレに行くなら素直にトイレって言いなって」

――ちょっとベランダに出て冷えたようでして、えーと、ぶっちゃけて聞きますが『マリさん』の残りの魂の量は全体の四割程度ということですね?

「正確に言えば四割強くらいじゃねえかな。五割強でも体は動かせるだろうし。
真里ちゃんの中の魂もまだ少し足りないくらいだろうな」

――では早く元に戻ったほうが良い……と。

「そりゃあ早いに越したことはないだろうな。でも……良いのか?」

――え?何がでしょうか?

「気付いてるんだろ? 『自分が消える』かもしれないって」

――な、何のことでしょう?

「朝な、帰ってから中やんに聞いたよ。『マリちゃんの様子がおかしい』って。
俺たちの昔話を聞いたんだってな――。
中やんの『入れ替わり』の時の記憶が無いって聞いた時点から様子がおかしかったって。
ってコトは、自分の存在が消えるかも――それが心配だったんだろ?」

――う、そうなんだけど……。やっぱり消えちゃうのかな?

「確率は半々だと思うぜ。今朝よ、真里ちゃんを見た感じだと――ひょっとするとマリちゃんがメインの可能性もあるな」

――え?どういうこと?

「コラッ! 首を絞めるな……逝く! 逝くってば……!」

――し、失礼しました。つい興奮して。メインが私って?

「死んだ親父が河の向こうで手を振ってたじゃねえか……。
うん、ひょっとすると……だがな。真里ちゃんの体の中の魂が『残りの部分』の可能性もあるってことだ。
見た感じ――魂が薄いように見えたんだよな」

――そ、それって。『元に戻ったら』私……じゃなくて『マリさん』がメインになるってことですか?

 カズちゃんへのインタビューはもうちょっとだけ続くんじゃ。
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