ちぇんじ☆
 どうしよう?
 隼人くんに向けていた疑いが全て私の誤解だったと分かった。
 でも、そんな隼人くんの行動が――先ほどまで私の中にあった恐怖心を消してしまったようだ。

「そっか……ごめんね」

 隼人くんに対して誤解していたことを素直に謝る。
 そして――真相を知ったと同時に私のことを案じて制止に入ってくれたことを心の中で感謝する。

――本当にありがとう。嬉しいよ。……だから真里と幸せになってね。

 隼人くんのそんな優しさに、私の出来る精一杯のお返し。
 それは――『この体を隼人くんに返してあげること』だ。

「大丈夫だよ。カズちゃんが言ってた。『戻る確率は半々だ』って」

 少しだけ嘘をついた。
 本当は今の段階では『私が消える確率』のほうが断然高い。
 でも、隼人くんを納得させるために――私は嘘をついた。

(そ、それでも――)

 反論しようとする隼人くんの口元を人差し指で押さえる仕草をして言葉を止める。
 私を見つめる隼人くんに、

「大丈夫だよ」

 そうやってニッコリと笑ってみせる。

「――さて、エッチする間は見えない場所に行っておいてもらえるかな?」

 さすがに人に見られながらエッチするのは無理だというのもある。
 だが、それだけの理由ではなく私は隼人くんをこの場から引き離したかった。

 私が――確実に消えれるように。

 そのためには隼人くんにこの場にいられるには都合が悪い。

(この場に居なかったら……どうやって戻るんだよ?)

案の定文句を言ってきた隼人くんに対して私はカマをかけてみる。

「大丈夫でしょ? 私の魂が真里の体に戻ったらこの体がカラになってることくらい分かるんじゃないの?」
(う……!)

――おい……図星かよ。
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