ちぇんじ☆
 私が動く度にベッドの軋む音が響く。
 私が触れる度に真里の口から切ない吐息が漏れる。

 私と真里は完全に情事に没頭していた。

「――優しくしてね」

 真里の一言で『元に戻る方法』は開始された。

 肩に触れた手に僅かに力が入る。
 そのまま顔を近づけて――真里と唇を重ねる。

「――んっ!」

 唇を離すと、真里から僅かながらも抗議の声が聞こえる。

「――キスはしなくていいんじゃない……?」
「気分よ……気分」

 真里にはそう言って誤魔化す。
 自分に対しては――『これは人工呼吸』と誤魔化した。
 つまり、キスのつもりで唇を交わしたのではない。
 『元に戻る方法』によって私が完全に消えるために……また真里に私の『魂』の一部を戻したのだ。

――これで準備は完全に整ったよね。
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