ちぇんじ☆
 『元に戻る方法』を実行する前日、明らかにマリの様子がおかしかった。
 俺はそのマリの態度の変化を元に戻ったら俺の気持ちに気が付いたマリが俺のことを振ろうとしているんじゃないかと邪推した。
 何度かそのことを確認しようとする度に話をはぐらかされ、マリの真意を『元に戻る方法』を実行する時に至るまで確認できなかった。

 そして、いざコトに及ぶ寸前、マリがシャワーを浴びに行ったスキをついて――俺はカズさんの元に走った。

 カズさんから教えてもらった真実は――残酷なものだった。

『元に戻れば、現在のマリの人格は全て消える』

 これを聞かされ、俺は飛んでマリの元へ戻った。
 丁度シャワーを浴び終えて、いざコトに及ぶ寸前。
 緊張のため動けないでいる場面に間に合った。

 そこでお互いの本心を確認しあい、マリは俺に「大丈夫」そう言い残して『元に戻る方法』に挑んでいった。

 エッチしてる場面を見られたくなかったのだろう。
 マリに「この場所から離れてほしい」そう頼まれ、俺は渋々ながらもラブホの部屋の浴室で待機した。

 その場所で三十分も待った頃だろうか――急に俺の体が何かに引き寄せられるように動いた。

――『元に戻る方法』が……始まったか!

 魂だけの存在であるはずの俺の体が中心から熱くなり、そのまま意識が急速に奪われていった――。

 そして……意識が戻ったとき――俺の目の前には裸になった『真里ちゃん』がいた。
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