ちぇんじ☆
――その後、何回も呼びかけてみたけれど、隼人くんは出てこなかった。

 パニックに陥る私、それを一生懸命なだめてくれる真里。
 もう、真里を説得することは完全に二の次になっていた。

――どうしよう!?どうしよう!?どうしよう!?

 大変なことになってしまったのは分かっている。
 だが、事が大きすぎて頭の中で考えることが不可能になっていた。

 私が少し落ち着いたのは、それから一時間も経ったころだった。

「大丈夫? ちゃんと一人で帰れる?」

 別れ際に真里が心配そうに私に聞いてくる。
『元に戻る方法をどうやって実行するか』
 その話は中途半端なままで終わってしまったが、今はそれどころではない。

 そう、もし元に戻る方法が成功したとしてもだ、

――この体に戻ってくるべき魂が存在しないのだ。
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