未定
「私は****。しょうでいいよ」
肝心な部分が、よく聞き取れない。
ノイズのような何かで掻き消され、聞き取る事を邪魔する。
もう一度、と口を開いた瞬間。

「泉は何を望んでるの?」

突然な質問についていけない。
そして質問の意味が分からない。
何の為にそんな事を訊く?
今日此処でついさっき会ったばかりだというのに。
何か裏があるのか?
黙っていると、しょうはくすりと笑って言った。
「すぐに答えなくていい、じっくり考えてね」
そう残して僕が来た道を帰っていった。
僕は、その後姿から目を離す事が出来なかった。

揺れるツインテールが、僕の頭の中で木霊していく…
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