ブラウン管の中の彼女~番外編~
「祐ー!!バカ太一なんて放っておいて帰ろうよー」
そう言って実早はこれ見よがしに祐の腕に絡みつく。
おい、バカとはなんだバカとは。
相変わらず実早は祐以外の男にはてんで興味がない。
「ごめんね、実早。あと少しだけ待ってて?」
祐が申し訳なさそうに謝る。
「いーちゃんも放っておけば直るって言ってたよー?」
そう言うと実早はふふんと俺を見下して祐の腰に手を回した。
お前はどんだけ仲の良さをアピールしたいんだよ!!
ってか…。
「依夜のやつ―!!」
俺は思わず椅子から立ち上がって拳を握り締めていた。
いくら俺でもそんなこと言われたら怒るぞ!!