ブラウン管の中の彼女~番外編~
「ねえ、祐一郎これなあに?」
「ああそれはね…」
祐一郎が実早のノートを引き寄せる。
実早は祐一郎に隠れてグッと拳を握った。
これ!!
こういうことがやりたかったのよ!!
幸せを噛み締める実早には周りの雑音なんか聞こえない。
「こら太一!!さぼらないの!!」
「いってー!!叩くなよ!!」
太一がいつも通りいーちゃんに怒られる。
仲紗はひとりで黙々とシャーペンを動かしていた。
祐一郎ははあっと息を吐いて太一に言った。
「太一、うるさい」
「俺じゃねーよ!!」
太一が濡れ衣だといわんばかりに叫ぶ。
…間違いなくお前だよ!!