ブラウン管の中の彼女~番外編~
「太一、どこ行くんだ?」
教室から出て行こうとする俺を祐が引き止める。
「便所!!」
教室どころか廊下にまで響くような大声でそう言うと俺は教室の扉を勢いよく閉めた。
ったく何もかもが面白くない。
依夜と付き合い始めて早半年。
告白は俺のほうから。
惚れた弱みなのか俺は依夜の言うことには基本的に絶対服従。
というか尻に敷かれてる。
それを嫌だと思ったことはない。
でも、依夜は全然分かってないんだ。
俺が実は嫉妬深くて、依夜に近づく男は全員気に食わないってことに。
不機嫌にだったり怒ってるのは俺の気分だって思ってる。
肝心なところで鈍感なんだよ、あいつ。
今日だって俺があの時飛び出してなかったら絶対襲われてた。