ブラウン管の中の彼女~番外編~
「ばっかみてー…」
湿布が貼られた手首とは反対の腕には緑色のミサンガ。
俺と依夜の心が確かに通い合ってるって証拠だったのに今は虚しい。
俺達どうやって付き合いだしたんだっけ?
誰にでも明るく優しく接する依夜はサッカー部の中でも人気だった。
それはそれは必死だった。
他の誰かにとられるのが嫌で入学間もない時に公衆の面前で告白した。
もちろん依夜には冗談だと思ってかわされた。
それでも毎日のように追い掛け回して、
「わかった。付き合おっか?」
って返事がもらえた時は本気で屋上から飛び降りようかと思った。
それで、何が言いたいかというと。
俺はそれくらい依夜が好きってことで。
ムカつくって言ってしまったこととか、依夜に無理矢理キスしたこととか(可愛かったけど)、考えるだけでバカなことをしたもんだと反省してる次第です。
結局、俺は依夜に嫌われるのが一番怖いんだよ。