あなたにチョコレート
02/14
尚 Side
「ただいま」
俺は久々に自宅の玄関を開けた。
夜の便に乗って、ぐっすり寝てきたから、時差ボケはあまり感じないな。
「おっかえり~!」
テンションの高い兄貴が、引きつった笑顔で俺に抱きつく。
「なんかあったの?」
「お……おふくろを止めてくれ!」
「はぁ?!」
話を聞くと、親父が会社の部下を車で家まで送ったのが母さんにばれて、今しばかれてるらしい。
いつになっても成長しねぇな、家の家族は……