消しゴムをくれた女の子
一学期の終わりのHRで二学期に有る文化祭の実行委員を決める事になった。

勿論、みんな嫌がる。誰も立候補しない。

先生が「立候補者が出るまで終わらないぞ」とキレはじめた。

意味が分からない。

俺はひたすら「誰かいませんかー」を言い続ける。

誰も反応が無い。立候補だけで男三人、女三人の六人集まるんかよ。

俺に疲れが見え始めた。

俺は板倉に助けを求める為にチラリと見た。

板倉は目を伏せて寝たふりをした。

まあ、そんな奴なんだ。

先生もイライラして貧乏揺すりをしていた。


そろそろキレるんだろうな・・・


俺がそう思って隣に立つ副委員長のサトミを見た。

サトミはニコッと笑い、そのまま俺に近づいて来た。

そして俺の手を掴んで上に挙げた。




「はーい、私達二人、実行委員に立候補しまーす」





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