レモンパイ
――一瞬…
何が起こったのか…分からなかった…
"ゴメン…"
謝るなよ…なんで謝るんだ??
芽依は…そのまま…振り返らずに…
走っていった。
「――…ッ芽依!!!!」
なんで逃げるんだよ…
追いかけようとすると…
「待って!!」
森川の声が耳に入った。
「…何」
「隼人が好きなの!!なんで…??なんで私じゃ駄目なの……??」
そういいながら…涙を溢した‥。
「わりーな。俺は…今も…昔も――…
芽依しか見えてねぇから。」
「あ…」
俺は…何か言いたそうな森川を置いて…
芽依がさっき落とした袋を拾って…
部室を去った。
芽依に――…
キモチを伝えるために。