バトンクッキー
「おれはランニングしようと思ってたんだけどな」
おれはまじめな顔で練習メニューを伝える。
「冗談キツイな。こんな炎天下の中を走るなんて地獄だぜ」
「紅白戦やろう」
「5人、いや6人でどうやって紅白戦やるんだよ」
「キャッチャーを相手チームから出して他の内外野は二人で守る」
「そんなのつまらないだろ」
「敵チームのキャッチャーがサイン出すのか?」
「打球を二人で追うなんて嫌だぜ」
いつの間にかおれの意見は却下され、練習ナシ!という方向に傾きつつあった。