バトンクッキー
「ただの偶然だろ」
「キャプテン、この写真の人は歳を取ってないんです。絶対に幽霊です」
水原がやや興奮してアルバムの写真を突き出す。
「他人の空似だよ。それに兄弟やDNAを引き継いだ親戚ということも有り得るかもな」
「キャップテン……」
「このまま放置していたら、うちの野球部は勝てないかもしれません」
水原と三浦がすがるような目でおれを見詰める。
「おれに祈とう師でも呼べというのか?」
おれは腕組みをして困り果てる。
もともとおれは幽霊や宇宙人の存在など信じていない。