バトンクッキー
おれは水飲み場でペットボトルをゆすぎ、水を入れてお地蔵さんがある場所に向かった。
水をかけてやると、お地蔵さんの笑顔にさらに磨きが増したように見える。
邪魔な草を足で踏み倒してグラウンドを見渡せるようにしてやった。
「チームメイトがケガしないように見守ってくれたらうれしいです」
おれは手を合わせた。
そして、従兄弟のヒロ兄にケータイをかけた。
「あっ、ヒロ兄。いまどこ?」
『ミヤおじさんのところにシロを返しにいくとろだ』