バトンクッキー


「でも、勝たないと……」


「おれも他の奴らも1点取られたくらいで負けるとは思ってないし、おまえから出たサインを信頼してプレイする。もし結果がついてこなくても誰も責めやしないさ」

 みんなに聞こえるようにわざと大きな声で言ってやった。


 視線が三浦に集中する。


「三浦、荷が重いならおれが代ってサインを出してもいいんだぜ」

 柳沢が冗談まじりで持ちかける。


「それは最悪だ」

 ゴリが誘いに乗って冗談に拍車をかけた。


 ベンチ内にクスクスと笑いが起る。

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