愛の雫
「ん?」


振り返った早苗は、優しい笑みを浮かべていた。


「あのさ……」


その笑顔に胸の奥が痛んで、言葉が上手く出て来ない。


「あのね……」


早苗は、同じような言葉しか発さないあたしの気持ちを察したのか、眉を寄せながら微笑んだ。


「あたし、希咲の事が大好きだからね!」


「えっ……?」


「だから、また泊まりに来てよ♪今度は一晩中語り合おうね!」


突然過ぎる言葉に驚いていたあたしに、早苗が満面の笑みで付け足した。


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