愛の雫
「お前ら、店の物食うなよ!」


不意に、後ろから店長の声が聞こえて来た。


「あっ!もう帰って来ちゃったんだ……」


戸惑って黙り込んでしまったあたしと早苗を余所に、乃依さんが悪びれ無く言った。


「乃依、お前か……」


「いつも頑張ってるんだから、ちょっとくらいイイじゃないですか!」


「あのな〜……」


「はい、店長もどうぞ」


乃依さんはスプーンでアイスを掬(スク)うと、呆れている店長の口に入れてからニッコリと笑った。


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