愛の雫
帰りに凪兄の家に寄って、カラメルミルクを作って貰った。


久しぶりに飲む彼のカラメルミルクは、何だか懐かしさが込み上げて来る優しい味で、やっぱりすごく好きだと思った。


「気をつけて帰れよ」


「って言っても、すぐそこじゃん」


心配そうな凪兄を見ながらフッと笑うと、彼が苦笑しながらため息を漏らした。


「とにかく、早く家に入って」


「はいはい……」


凪兄は、投げやりに返事をしたあたしが家の中に入るまで、ずっと家の前に立って見ていた。


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