愛の雫
2月上旬になると、身震いするような寒さが嫌と言う程続いていた。


エアコンで暖められた教室の中ですら、足元はひんやりとしている。


「寒〜い……」


休み時間になる度にあたしの元に来る絵里香は、その言葉が口癖になっていた。


「もうマジで寒過ぎる!冷え症なのに、風邪引いたらどうすんの〜!」


カイロを耳に当てて話す彼女は、明らかに機嫌が悪そう。


「マジで寒いよね……」


あたしは、当たり障り無く答えて誤魔化(ゴマカ)そうとした。


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