愛の雫
「……何?」


「肝心な事、忘れてた……」


「えっ?」


「姉貴からの伝言。俺、この話の為に希咲を待ってたのに……」


そういえば、奈緒ちゃんから伝言があるって言ってたっけ……


「それで、伝言って何?」


学校での凪兄の言葉を思い出して、彼を見ながら尋ねた。


「姉貴、今月末には帰って来るんだってさ。『帰って来たらしばらくはこっちにいる予定だから、また家に泊まりにおいで』って」


凪兄はそう言って、ニコッと微笑んだ。


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