愛の雫
「じゃあ、お邪魔しようかな。早苗の家なら手ぶらで行けるしね!」


張り詰めつつあった空気を和らげる為におどけたように言うと、早苗が眉を寄せながら小さく笑った。


「あたしの部屋、希咲の物ばっかりだもんね!」


「気付いたら増えてたんだよね」


「よく言うよ。確信犯め!」


「あっ、バレた?」


あたしが悪戯な笑みを浮かべると、早苗は呆れたような笑みを見せた。


「双子だからわかるの!」


あたし達は顔を見合わせ、クスクスと笑った。


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