愛の雫
「あっ、起きた?」


部屋に入って来た早苗と目が合った瞬間、彼女がフワッと微笑んだ。


「ううん、起きてたし」


「何言ってんの!普通に寝てたじゃん!」


「えっ?」


早苗の言葉に小首を傾げると、彼女は呆れたようにフッと笑った。


「さっきも部屋に来たけど、気付かなかったでしょ?」


「マジ……?」


「うん。希咲、マジで爆睡してたよ」


クスクスと笑う早苗を見ていたあたしは、目を見開きながらゆっくりと起き上がった。


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