愛の雫
体勢を変えた瞬間、色々な事がさっきまでと違う事に気付いた。


体を起こして座ったあたしには、ベッドで使っているハズの早苗の布団が掛けられていて…


お風呂上がりだと思っていた彼女の髪はすっかり乾き、壁に掛けてある時計の針も随分と進んでいる。


「嘘……。あたし、マジで寝てた……?」


「いや、だからそう言ってるじゃん!」


苦笑しながら答えた早苗は、持っていたトレイをサイドテーブルに置いた。


そして、ケトルをセットしてからスイッチを押した。


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