愛の雫
「うわ……。マジでごめん……」


冷静に頭が働き始めたあたしは、小さく呟いた。


話を聞いて欲しいなんて言ったくせに、早苗がお風呂に入っている間に眠ってしまうなんて…


申し訳なさ過ぎるし、どうしようもない自分に情けなさを感じる。


「気にしなくてイイよ。さっきまでテレビ観てたし。観たいやつがあったから、むしろ希咲が寝ててくれてちょうど良かったよ♪」


わざと憎まれ口を叩くような口調で話した早苗に、小さな笑みを返しながら掛け布団をベッドに戻した。


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