愛の雫
「不意打ちなんて、ずるいよ……」


小さく呟くと、早苗がフッと息を吐くように笑った。


「起きてるのにシカトするからじゃん。たまには素直になって貰わないとね!」


彼女はおどけたように言った後、ベッドから出てあたしの布団に入って来た。


「何……?何で入って来るの?」


「ん?たまには一緒に寝ようかと思って♪双子なんだし、別にイイじゃん!」


早苗の優しさに胸の奥がジンと熱くなった事を感じたあたしは、深呼吸をしてからゆっくりと口を開いた。


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