愛の雫
「あ〜ぁ……。朋子と繭はイイよね〜!勉強出来るし、いつも上位なんだもん……」


「えっ?そ、そんな事ないよ……。あたしだって、苦手な教科はあるし……」


絵里香の機嫌を損(ソコ)ねないように、朋子なりにフォローをしたつもりなのかもしれないけど…


「成績がイイ人に、この気持ちはわかんないよ……。ね、希咲?」


勉強の事に関しては卑屈気味な絵里香にとっては、朋子の言葉なんて無意味に等しい。


あたしは小さなため息を漏らした後、頭の中の言葉を声にする為に口を開いた。


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