愛の雫
リビングに行くと、珍しく誰もいなかった。


パパは仕事がすごく忙しいみたいだから、きっと今日も会社に行ったんだと思うけど…


陽子さんがいない事は滅多に無いから、何だか不自然な光景が広がっている気がした。


「はぁ……」


あたし、何考えてんの……


この家に陽子さんがいない事を“不自然”だと感じるなんて、まるで“家族”だと認めてしまっているみたいだ…。


自分自身の神経を疑うのと同時に、そんな事を思った自分(アタシ)に酷く落胆してしまった。


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