愛の雫
「あの……」


向かい側に座っている朋子の声で、ゆっくりと顔を上げる。


「何?」


「今日は誘ってくれて、本当にありがとう……」


朋子はそう言った後、はにかんだように笑った。


「まさか、希咲ちゃんが誘ってくれるなんて思ってもみなかったから、すごく嬉しかった……」


「別に……。朋子が勉強教えてくれたお陰で留年免れたから、そのお礼だし……。あたし、借り作るのは嫌だからさ」


あたしはそこまで話してから、再びメニューに視線を落とした。


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