愛の雫
「メニュー、決まった?」


「えっと……」


あたしが訊くと、朋子はメニューに落とした視線を泳がせた。


「今日は奢るから、好きな物頼んでイイよ」


「え……?でも、そんなの悪いよ……」


「イイって。テスト勉強を教えてくれたお礼だし、さっき借りを作るのは嫌って言ったでしょ?」


あたしがため息混じりに言うと、朋子は少しだけ困惑したような表情を見せていたけど…


「うん!ありがとう!」


すぐに笑顔に戻って、嬉しそうに頷いた。


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