愛の雫
店員を呼んで注文をした後、何とも言えない空気が流れていた。


元々、あたしは学校ではあまり話したりしないし、朋子も饒舌(ジョウゼツ)な方じゃない。


だから、そんな二人が一緒にいても話が弾まないのは、当たり前の事だった。


あたしはこの沈黙に耐えられなくて、注文したパフェが少しでも早く運ばれて来る事を願っていた。


何も話せないまま、気まずさを隠すように窓の外を見つめていると…


「あの、希咲ちゃん……」


朋子が、控えめにあたしを呼んだ。


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