愛の雫
翌週に入ると、先週よりも穏やかな陽気が続いていた。


暖かくなったのは嬉しいけど、昼間は眠くて仕方が無い。


そのせいか、最近はバイト中でも欠伸(アクビ)が止まらなかった。


「希咲!もうっ!!まーた欠伸しちゃって……」


空いたばかりの部屋の掃除を終えた早苗が、カウンターに戻って来るなり苦笑を零した。


「だって、眠いんだもん……」


彼女と話しながら、また欠伸が出る。


体の怠さを取りたくて、両手を天井に向かってグッと伸ばした。


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