愛の雫
外に出ると、少しだけひんやりとした風が頬を撫でたけど…


陽気はやっぱり暖かくて、ジャケットも必要無いくらいの気温だった。


「買う物って、何?メモ見せてよ」


「え〜っと……」


早苗に訊かれたあたしは、預かったメモをポケットから出す。


ズラリと並んだ品物の名前に、思わず苦笑してしまう。


横からメモを覗き込んでいた早苗も、同じように苦笑いを浮かべてため息をついた。


あたし達は他愛のない話をしながら、いつものスーパーに向かって足早に歩いた。


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